粗悪品・偽物の見分け方
粗悪品・偽造医薬品とは
海外から医薬品を個人輸入する際は、粗悪品や偽造医薬品が紛れ込むリスクがあります。厚生労働省も、個人輸入やインターネット購入による健康被害の注意を呼びかけています。このページでは、WHOと厚生労働省の公開資料をもとに、粗悪品と偽造品の違い、実際の調査結果、確認のポイントを整理します。
粗悪品と偽造医薬品の違い
WHO(世界保健機関)は、品質に問題のある医薬品を2つに分けて定義しています。
- 粗悪品(substandard): 品質基準や規格を満たしていない医薬品
- 偽造品(falsified): 同一性、組成、出所を意図的に偽っている医薬品
粗悪品は製造上の不備でも生じますが、偽造品は人をだます意図で作られている点が異なります。海外のジェネリックと日本の後発医薬品の違いは、ジェネリック医薬品とはで解説しています。
どのくらいのリスクがあるのか
WHOの推計
WHOは、低・中所得国で流通する医薬品の少なくとも10品に1品(2017年の推計で10.5%)が、粗悪品または偽造品であると推計しています。これは低・中所得国を対象にした数字で、日本の数字ではありません。また、WHOはこの推計を2017年から更新していません。無許可のサイトによるオンライン販売が、問題を悪化させているとも指摘しています。
厚生労働省の買上調査
厚生労働省は、海外のインターネットサイトで日本向けに販売されている製品を実際に購入して、成分を調べる調査を行っています。
- 平成26年度: 海外製医薬品と称する10製品のうち4製品で、標ぼうと異なる成分が検出され、偽造品と判明しました(2017年3月発表)。シアリスやレビトラと称する製品から、別のED治療薬の成分が検出された事例です。
- 令和2年度から令和6年度: 海外製医薬品(63、30、29、28、28製品)で、表示と異なる成分は検出されませんでした。
- 令和6年度: いわゆる健康食品18製品のうち2製品から、医薬品成分(シルデナフィルとシブトラミン)が検出されました(2026年3月発表)。
近年の調査では、海外製医薬品から表示と異なる成分は検出されていません。一方で、健康食品として販売されていた製品から医薬品成分が検出される事例は続いています。調査の対象や製品数は年度によって異なるため、結果を単純に比べることはできません。
なぜ個人輸入では注意が必要なのか
国内の正規の流通経路では、卸売業者や薬局などが法律にもとづいて管理されています。それでも、2017年1月には、C型肝炎治療薬の偽造品が卸売業者を経て薬局に流通した事案がありました(患者は服用していません)。この事案をきっかけに、取引記録にロット番号と使用期限を残すことが、省令で求められるようになりました。
個人輸入は、輸入者本人の自己責任で行う仕組みであり、こうした国内の管理の外にあります(仕組みは個人輸入とはで解説しています)。厚生労働省も、海外の販売業者の信頼性や、画像だけでの真贋の判断が難しいことを、リスクの理由としています。個人輸入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
確認のポイント
WHOが示す消費者向けの確認点
WHOは、患者や消費者に向けて、次のような点を確認するよう呼びかけています。
- 包装が傷んでいないか、綴りの誤りがないか
- 製造日と使用期限が記載されているか
- 内側と外側の包装で、ロット番号と使用期限が一致しているか
- 封が破れていないか
- 添付文書が入っているか
- 所在地や固定電話の番号を隠しているサイトや、極端に安い価格に注意する
日本の公的機関が、確認点の一覧を示している資料は、見つかりませんでした。パッケージや成分表示だけで、偽造品かどうかを完全に判断することはできません。
信頼できる入手先を選ぶ
入手先の信頼性を確認することが重要です。取扱商品の仕入れルートや保証内容を明示している事業者かどうかも、判断材料のひとつになります。
Modelabでの取り組み
Modelabでは、取扱商品について正規品保証を掲げて販売しています。製造元メーカーおよび正規の医薬品取扱業者から直接調達しており、商品に不良があった場合は返金・返品についてに定める手順でご連絡ください。
よくある質問
Q. 個人輸入した医薬品が偽物だった場合、返金はできますか?
A. 商品に不良があった場合は、未使用の状態で到着後7日以内にご連絡いただくことで、返金・交換の対応をご案内しています。詳細は返金・返品についてをご確認ください。開封・使用後のご連絡や、到着後7日を超えたご連絡は対象外となります。
Q. 見た目で偽物かどうか判断できますか?
A. パッケージの印字や成分表示だけで、完全に判断することは難しい場合があります。信頼できる入手先から購入することが重要です。
Q. 偽造医薬品はどのくらい出回っているのですか?
A. WHOは、低・中所得国の医薬品の少なくとも10品に1品が粗悪品または偽造品と推計しています。日本向けの調査では、厚生労働省の買上調査で、平成26年度に海外製医薬品10製品のうち4製品が偽造品と判明しました。令和2年度から令和6年度は、海外製医薬品で表示と異なる成分は検出されていません。
Q. 粗悪品や偽造品を使ってしまった場合、どうすればよいですか?
A. 体調に異変を感じたときは、すぐに使用を中止して医療機関を受診してください。受診の際は、使用した医薬品の名称や使用量をお伝えください。
参考文献
- Substandard and falsified medical products(WHO) — 粗悪品・偽造品の定義と推計、無許可サイトの問題
- 1 in 10 medical products in developing countries is substandard or falsified(WHO) — 2017年の推計(10.5%)
- Advice to patients and consumers(WHO) — 消費者向けの確認ポイント
- 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚生労働省) — 品質確認の注意喚起、救済制度の対象外
- 個人輸入やインターネット購入による健康被害(厚生労働省) — 令和6年度の買上調査の要約
- 令和6年度「インターネット販売製品の買上調査」の結果(厚生労働省) — 海外製医薬品28製品で表示と異なる成分なし、健康食品18製品中2製品から医薬品成分
- 平成26年度「インターネット販売製品の買上調査」の結果(厚生労働省) — 海外製医薬品10製品中4製品が偽造品と判明
- 医薬品・医療機器等安全性情報 No.350(厚生労働省) — C型肝炎治療薬の偽造品事案と国内の対策